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ようやくこの試合を見たのですが、会社でライブスコアをチェックしていた時の予想は当たっていました。フェレールが悪いと言うより、ジョコビッチがよすぎました。ストローカー同士の打ち合いは見ごたえがあり、フェレールが一方的にやられているという感じはしませんでした。フェレールには運のなさもありました。ジョコビッチのコードボールが自分の側に落ちたり、あと1ポイントでブレイクというところでジョコビッチのが連続して好サービスを入れてきたり。それでも絶対に諦めない姿勢には頭が下がる思いでした。普通、第1セットを1ゲームも取れない状態が続いたら、そのセットは捨てて第2セット以降に頑張ろうと思います。それをフェレールは何とかしようと懸命にボールを追っています。全体的な流れより、目の前の1ポイントを大切にする。それが結果に繋がっていく・・・そういう試合をしてきたフェレールらしいプレイでした。 第2セットで初めてサービスゲームをキープし、フェレールらしいポイントを取れるようになってきました。流れがフェレールに来そうになると、ジョコビッチが戻してしまう。そういう展開でした。第3セットも先にブレイクされて、ラケットを投げつける場面も見られました。滅多にこういう事をしないフェレール、相当イライラしているようです。しかしそれをプレイに影響させませんでした。ひとたびゲームに戻ると1ポイントに集中し、ボールに食らいつきます。もう結果が出ている試合なのに、いつの間にかフェレールを応援していました。フェレールのこういうところが好きなんだなぁと、つくづく思いました。ようやくここに来てジョコビッチのサービスゲームを破り、ここから!というところで再びブレイクされて試合終了。結局1セットも取れませんでしたが、内容的にはそれほど悪くなかったと思います。何よりフェレールの闘う姿が見られ、満足です。 この試合に勝てばダビデンコを抜いて世界ランク4位になれるはずだったフェレール、現在10ポイントの差で5位です。4位になるのは時間の問題かと思いますが、それを守るのは大変でしょう。デビス杯のあとはマルセイユでの大会、こちらに期待したいです! フェデラーを倒して決勝戦まで残ったジョコビッチ、ノーシードから勝ち上がって来たツォンガ。どちらが優勝しても初優勝、ツォンガのテニスがとても楽しみでした。2人を比較して感じた事は、パワーはツォンガ、テクニックはジョコビッチといったところです。ジョコビッチがツォンガのパワーに押されたらツォンガが、ジョコビッチがツォンガを振り回したらジョコビッチが有利です。メンタル的にはジョコビッチでしょう。昨年、全米オープンの決勝戦を経験しています。第1セット、第1ゲームからジョコビッチがブレイクしてスタート。ツォンガは緊張しているのか、凡ミスを連発しました。ゲームが進めばいつものプレイに戻ると思いましたが、第2ゲームであっさりツォンガがブレイクバック。第1ゲームは浅いショットが多くて打ち込まれていましたが、第2ゲームは深いショットが多く、早くもいつものプレイを取り戻したようです。第1セットはツォンガの自由奔放なテニスに振り回されたジョコビッチ。ジョコビッチのスマッシュをパスしたり、完全に押されていたストローク戦をものにしたり、ツォンガのいいところばかりが出ました。ジョコビッチは首を傾げたり、うつむいたり、どうも精神的に落ち込んでいるように見えます。このままの状態で試合が進めば、ツォンガのストレート勝ちもありえます。 第2セットに入ってますますミスが増えるジョコビッチ、ツォンガは楽にサービスゲームをキープし、2人のプレイに差が出てきました。しかし第7ゲームをジョコビッチがブレイクしたところで流れが変わり始めます。今までとは逆にツォンガにミスが出始め、ジョコビッチは少しずついつものプレイに戻って来ました。何がきっかけで展開が逆転したのかは分かりませんが、ツォンガにとってはよくない流れです。 第3セットも先にブレイクしたのはジョコビッチ。ここに来てジョコビッチにミスがなくなり、ツォンガはストローク戦で無理をせざるを得なくなっています。今まで取れていたポイントが取れなくなり、より厳しいところへ打ち込んでミス・・・一気に形勢逆転、ツォンガは早くも打つ手なしと言った感じです。ツォンガの売りは何と言ってもフォアの逆クロス。大きく回り込んで打ち込みますが、当然ジョコビッチに読まれています。ツォンガが回り込んだところで既に移動し、ボールの着地点あたりで待ち構えています。これではいくらいいショットを打ち込んでも決まりません。オープンスペースに打たれて終わりです。それでもフォアの逆クロスをやめないツォンガ。ほとんど意地になっています。フェレールのようにクロスと逆クロスを上手く使い分けてこそ、生きるショット。第3セットもジョコビッチが取り、流れは完全にジョコビッチに行きました。 第4セット第4ゲーム途中から、ジョコビッチが左足を気にし始めます。試合中にトレーナーを要請し、サービスも満足に打てません。おそらく痙攣でしょうが、ツォンガにはチャンスです。前後に揺さぶれば追いつけないでしょう。ところが全く攻撃する素振りを見せないツォンガ。相手の異変に戸惑っているのか、手を抜いているようにすら見えます。もう2セット落として後がないのに、手負いの相手を気遣う余裕はないはず。人がいいのか弱気なのか。結局ジョコビッチがサービスをキープしてしまい、ツォンガには失望を感じました。もしかしたら流れを変える最後のチャンスだったかもしれないのに、それをみすみす逃すとは。この時点でツォンガの負けはほぼ確定したと言っても過言ではありません。その後メディカルタイムアウトを取って治療したジョコビッチは復活し、タイブレークを制して初のグランドスラムタイトルを獲得しました。 徐々にジョコビッチの独り舞台となってしまい、残念に思います。ここぞというところで経験の差が出たのでしょうか。ツォンガはまだグランドスラムを獲るに値しない選手だという印象は受けました。今後どうなるかは彼次第、今大会の台風の目で終わるか、トップの常連になるか。ジョコビッチはこれから先がとても楽しみです。これでフェデラーと対等に戦える選手が増え、ランキング争いもし烈になるでしょう。トップ3選手の動向から目が離せません。 トップハーフでフェデラーを倒せるとしたら、ジョコビッチかナルバンディアンか・・・と思っていました。ナルバンディアンが倒れた今、打倒フェデラーの夢はジョコビッチに託されました。しかしまた、ボトムハーフから決勝に残ったツォンガとフェデラーの対戦も見てみたい・・・ジョコビッチとフェデラー、どちらが勝っても楽しみな一戦となりました。正直、フェデラーがここまで苦しめられたのは3回戦以来です。今大会はセルビア勢に苦戦するフェデラー。それもそのはず、ティプサレビッチとジョコビッチはお互いの試合前に連絡を取り合い、フェデラーの様子を教え合っていたのです。ジョコビッチはフェデラーとの対戦経験から、ティプサレビッチはフェデラーの最新状況を教えたのですから、相当効力があったと思われます。それでも、それを実行できるかどうかは腕次第。2人ともフェデラーキラーになる素質は十分あります。 この試合で今までのジョコビッチと違うと感じたところは、攻めの早さです。もともと早いタイミングで仕掛けるタイプのジョコビッチですが、最初の1~2球ですぐに攻め、フェデラーにリズムを作らせません。これができるのは精密機械のような精度の高いショットがあるから。針の穴を通したように、コーナーいっぱいに決まるのです。これでフェデラーは左右に振られ、思い通りのプレイができなくなります。 フェデラーの方もいつもと様子が違いました。表情が終始冴えず、うつむき加減に見えました。調子が悪いのか、ジョコビッチのプレイに苛立っているのか。ポイントを先行され、ゲームを先行され、セットを先行され・・・徐々に追い詰められていくうちに、フェデラーは余裕をなくします。個人的には好きじゃないと言っているチャレンジを何回もし、そのほとんどがミスで終わります。ミスした時の顔色も険しく、王者が弱々しく見えました。決してフェデラーのプレイが悪いわけではなく、ジョコビッチのプレイがフェデラーを上回っていました。彼のテニスならフェデラーに勝てる、そう思っていましたがまさか・・・。いつかフェデラーがペースを取り戻すだろうと思っているうちに第3セット。2セットダウンで後のない姿でした。さすがにこれを落としたら終わりというプレッシャーからか、ブレイクされる事なくタイブレークに突入。しかし最後はフェデラーのエラーで試合終了。ジョコビッチが決勝進出となりました。 この敗戦でフェデラーの座が危うくなる事はありませんが、ナダルとの差が縮まったのは確かです。それと同時に、今シーズンは簡単には勝てないだろうという予感すらさせます。新勢力の出現、他の選手の成長、いつまでもフェデラーとナダルの天下ではないような気がします。その方がテニスファンには面白いし、新しい選手の頭角は歓迎すべきものです。今年のフェデラーからは色々な意味で目が離せなくなりました。 < 前のページ次のページ >
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